社会の動機からつなげる自然の理。
原田真宏
『道の駅ましこ』での日本建築学会賞(作品)をはじめ、国内外で数々の賞を受賞してきた建築家・原田真宏氏。海と陸、自然と社会の境界に身を置いた幼少期から、「自然の理」で建築を解こうと試みる現在までの軌跡を辿る。
【建築家の手】建築家・原田真宏の”本体”は「目と手」

「原田真宏という人間を限界まで削ぎ落としていくと、目と手だけが残る気がするんです」。
目であらゆるものを認識し、手で何かをつくる。そのシンプルな反復こそが、原田真宏という建築家の”本体”だという。人間とは「ホモ・ポエシス(創造する人・作る人)」ではないかと、原田は言う。鏡がなければ自分の姿が見えないように、人は物を作ることを通して世界を解釈し、映し出しているのだと。そんな原田氏の今後の目標は、橋や空港を作ることだ。
「関係がなかった場所同士が物理的に繋がるロマンティックな存在であると同時に、物の合理性と社会の合理性が極めて高い次元で調和しないといけない。そんな究極のバランスに挑んでみたいですね」。海と陸。社会と自然。その境界に立ち、両者を繋ぎ止めるための「アンカー」を、彼の手はこれからも打ち込み続ける。

原田 真宏/Masahiro Harada
1973年静岡県生まれ。芝浦工業大学大学院建設工学専攻修了後、隈研吾建築都市設計事務所、ホセ・アントニオ&エリアス・トーレス アーキテクツ(バルセロナ)、磯崎新アトリエを経て、2004年に原田麻魚とともにMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIOを設立。住宅から公共建築まで幅広い設計活動を展開し、土地の条件や構造を強く意識した建築で高い評価を得ている。教育分野でも活動を続け、芝浦工業大学建築学部建築学科教授を務める。
代表作に、道の駅ましこ(2016)、松栄山仙行寺(2018)、半島の家(2018)Entô(2021)など。

















