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場創りで企業の未来を提案するプロフェッショナルたちが考える「今」と「これから」Vol.1

場創りで企業の未来を提案するプロフェッショナルたちが考える「今」と「これから」Vol.1

DE-SIGN INC. 株式会社ディー・サイン

注目の企業をピックアップし、そこで働く社員のみなさんの座談会を緊急開催。現在・過去・未来を語ってもらうことで、企業そのものの魅力にフォーカスしていきます。第一回目は、オフィスプロジェクトを中心に多様な「場創り」を展開する株式会社ディー・サインのみなさんです。

場創りで企業の未来を提案するプロフェッショナルたちが考える「今」と「これから」Vol.1

PROFILE

株式会社ディー・サイン
DE-SIGN INC.

所在地/東京都中央区京橋3-3-11 VORT京橋

www.design-inc.co.jp/

代表の佐藤浩也氏が株式会社リンクアンドモチベーションにプロジェクトマネジメント事業を持ち込む形で参画。その後、株式会社リンクプレイスとして分社化。2012年さらに幅広い領域へと活動の広げるべくMBOを行い独立。広義のデザインを意味する株式会社ディー・サインに社名を変更し、現在に至る。

クライアントの経営課題を読み解き、ワークプレイスを通して新しい働き方を提案

今年の4月から本格始動した「働き方改革」。

 

「一億総活動社会」を実現するため、働く人々が個々の事情に応じた柔軟な働き方を選択できる社会を目指し、国も重要政策として本格的に改革に乗り出している。より生産性や効率を重視した働き方を求める動きが活発化する中、そのソリューションとしてオフィス空間の改善に活路を見出す企業が増えていることは、昨今の象徴的な出来事と言える。

 

株式会社ディー・サインは、既存の概念にとらわれない「場創り」に挑み、国内外の多くの大手企業のワークプレイスを構築したり、ワークスタイルのコンサルティングを手掛けるプロジェクトマネジメントとデザインのプロフェッショナル集団。ご登場いただいたのは、プロジェクトマネジャーの川上 竜さんと高井 誠さん、リードデザイナーの沼尾 知哉さん。Vol.1となる今回は、プロジェクトマネジャーやデザイナーの実際の仕事やその魅力についてお話を伺いました。

 

ーーまずは、プロジェクトマネジャーとデザイナーのそれぞれのお仕事について教えてください。

 

川上「プロジェクトマネジャーは一言で言うと“プロジェクトを成功に導く旗振り役”。プロジェクトのスタートからゴールまでのスケジュールを設定し、進捗状況を管理するのはもちろん、進行が停滞すれば前進するように促すこともあります。あとは予算の管理。クライアントさんの予算に合わせてコストをマネジメントすることも、大事な仕事の一つです。フェーズによって注力するウェイトは変わってくるのですが、主にこの二つの軸を担いながらプロジェクトを成功に導くことが仕事です」

 

高井「つまりはQCD(Quality:クオリティー、Cost:コスト、Delivery:デリバリー)ですね。これはプロジェクトマネジメントの鉄則と言われていて、このQCDを管理したり、高めるのが大きな役割ですね」

 

川上「基本的にはしゃべってばっかりの仕事ですよね。感覚的には通訳みたいな感じだと思います。一番多いのはデザイナーさんとクライアントさんとの橋渡し。デザイナーさんは表現に専門性があったり、独自の世界観を持っている方が多いので、自分たちが間に入って理解しやすいように言葉を変換し、業務がより円滑に進むためのアシストもします。ファシリテーター的な役割と言い換えられるかもしれません」

 

沼尾「デザイナーに関しては、弊社がオフィスプロジェクトを多く手掛けていることもあって、オフィスのインテリアデザインがほとんど。レイアウトから内装はもちろん、働く場をどうセッティングするかなど、全体のデザインを行います。オフィスの面白いところは存在意義が多岐に渡ること。オフィス空間の快適性を高めて仕事の効率をアップさせることに加えて、会社のイメージを発信するブランディング的な要素、さらには『こんなかっこいいオフィスで働きたい』と思ってもらうことを目的にするような、リクルーティング的な機能もあるんです」

 

高井「昨今、背景にある経営課題をオフィスを刷新することで解決したいという企業さんが意外と多くて、その課題が今言った『効率アップ』、『ブランディング』、『リクルーティング』の三つに集約されることが多いんです。とりわけ優秀な人材を確保するという意味で、オフィス環境をより良くするという動きが盛んになっているということは肌で実感しています」

 

川上「経営メッセージを伝えるタイミングとして使いやすいんですよね」

 

高井「そうだね、イベント的にも使いやすいんだと思う」

 

沼尾「あとは『働き方改革』って言われている中、働く環境自体を変えてしまった方が解決策としては即効性が高い。だから今は、目指す働き方のビジョンを経営思想と照らし合わせながら、デザインによって場を創るというアプローチが主流になってきていると思います」

 

川上「確かに『新しい働き方をしていきたいので力を貸してください』という依頼が増えましたね。既存のプロジェクトに加えて、働き方のビジョンを考えることから仕事になってきている。しかも『働き方改革』って言われるようになってから、クライアントさんのオーダーの仕方も変わったと思う。単に場創りだけでなく、いかにプラスアルファの価値を提供できるかがポイントになってきていますね」

 

川上 竜/プロジェクトマネジャー
大学院を卒業後、2013年入社

 

 

企業の課題や目指す方向性をヒアリングし、より快適なオフィス空間を構築

ーー時代とともに仕事内容が多角化する中、この仕事のおもしろさや大変さはどのあたりにありますか?

 

高井「今の話の流れで言えば、働く人の意識を変えることですね。例えば、長い時間働くことを是としてきた世代の方々に、制限された時間の中で効率よく質の高いアウトプットを求めるのって難しいと思うんです。プロジェクトで対峙するのは5~10人だけど、その背後には多くの社員の方々がいます。そのすべての意識を変えるというのはやっぱり大変なんですよね。でも、そこにどのようにリーチできるかがこの仕事の本質だし、おもしろさでもあると思っています」

 

沼尾「僕もニアリーイコールな感じ。やはり経営者と従業員って視座のギャップがある。例えば、上の意見だけを聞いていると実際には効率的でなかったり、下の意見だけに耳を傾けすぎても、上の考えたコンセプトとかけ離れたものになってしまうことってよくあるんです。経営目線と現場感覚のちょうどいい着地点を見つけることが難しいですね。さらに、弊社は外資案件も多く手掛けていますが、外資系企業となると、そこに本国のアイデンティティーやスタンダードみたいなものが入ってきて、二重のギャップを埋める必要が出てくる。非常に大変ですが、その分やりがいもありますね」

 

川上「オフィスに求めることが広がっている分、我々に求めるニーズも飛躍的に増えましたよね。クライアントさんの目もどんどん肥えていってるし。メディアの影響も強い」

 

高井「最近、オフィスを取り上げるメディアが増えていて、注目度の高まりは感じる。同時に働き方の多様化を取り上げている側面もあって、それを経営者の方も見ているので、自然と要求の質も高くなっているんだと思いますね」

 

 

高井 誠/プロジェクトマネージャー
国内の大手家具メーカーを経て、2018年入社

 

 

ーー注目度やニーズの高まりは、働きながら実感することはありますか?

 

高井「注目されているとは言え、僕たちがやっていることって地味なんですよね(笑)」

 

川上「そうなんですよね。クライアントさんに『かっこいいことをやりたい』って言われても、それを作っていく方法って意外とシンプル。しかも、それをプロセスの中で着実に積み上げていくのがプロジェクトマネジャーの仕事なので、プロジェクトを経て『いいオフィスができた』とか『いい働き方ができてる』、果ては『企業が成長できた』という時に、僕たちの姿ってのはあまり表に出てこないんです。もちろん、プロジェクトマネジャーって黒子的な立ち位置ですし、そもそもクリエイティブなものを作りましたってアピールしたい欲求もないので、それはそれでいいと思ってはいますけどね」

 

高井「デザインしていてもそうじゃない? 空間を作るのが一番の目的じゃなくて、そこでいかに動いてくれるかに重きを置いているでしょ?」

 

沼尾「そうですね。僕たちはどちらかというと、オフィスで働く人がどう活動するか、いかに快適に仕事に取り組めるかという部分を元に空間を設計していますよね。あくまでデザインはそこにプラスしていかに人を心地よくするとか、二次的な機能として活きてくるものだと思いますね」

 

高井「だから、経営者の方へのヒアリングは、デザイン的な要望というよりも企業の課題や目指す方向性、未来の話などを意識的に聞いていますね。つまり、どういう会社にしたいんですか?という質問を投げかけています」

 

Vol.2は2019年9月13日に掲載予定ですので、ぜひご覧ください。

 

 

沼尾 知哉/リードデザイナー
アトリエ勤務を経て、2014年入社

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