アーキテクト・エージェンシーがお送りする建築最先端マガジン

Architect's magazine

MAGAZINE TOP > > 有限会社アルボス

数多くのクリニックを手がける医院建築のスペシャリスト集団。常に顧客と社会が喜ぶ“解”を追究

数多くのクリニックを手がける医院建築のスペシャリスト集団。常に顧客と社会が喜ぶ“解”を追究

有限会社アルボス

同事務所の主事業は医院建築の設計監理。依頼案件の約8割を占め、過去450棟超のクリニックを手がけてきた。一般・集合住宅、店舗などの設計・監理、リフォームが残りの約2割だ。医院建築とそのほかとでは仕事の進め方に大きな違いを持たせている。その特徴を、代表の関根裕司氏が語ってくれた。

「例えば、集合住宅の場合、ディベロッパーという不動産のプロと一緒に内容を練ります。一方、医院建築の場合、初めて開業する医師からの依頼がほとんどのため、『何をどうすればいいのかわからない』という相談を受けるところから始まります」

こうした理由から、同社は施設設計だけではなく、クリニック開業サポート全般も行うようになった。クライアントである医師がどんなスキルを持ち、どんな医療を展開したいのか、徹底的なヒアリングからスタート。経済的な問題や、様々な制約を踏まえ、合理的な営業スタイルや展開、方向性までを提案する。

「昔は、医師の相談相手は身近なMRや薬卸でした。ところが、医薬分業化とともに、密接な関係ではなくなった。開業を考える医師は医療以外の雑用も含めて相談できる相手がほしいので、物事をスムーズに進めるために、自分が“相談役”となれるよう努力することにしました」

関根氏に最初から医療知識があったわけではない

とはいえ、関根氏に最初から医療知識があったわけではない。医院建築を手がけたのも、偶然、同じ大学の医学部を卒業した先輩からクリニックの設計を頼まれたのがきっかけ。それから時間と労力を割いて、一から情報を集めた。当時はまだネットが充実しておらず、情報も公開されていない時代。「医療機器メーカーに直接連絡をしても門前払い、医師に資料集めをお願いしても開業が秘密だからと対応してもらえず」という八方塞がりの状況に困惑したという。「このままでは医療建築専門の他社に勝てない」と感じた関根氏は、思いきった行動に出た。

「医療機器メーカーが集まるエリアに事務所を移転したのです。あらゆる医療分野のショールームに足を運び、カタログをかき集めました。すると、その場でレクチャーしてくれる人が現れ、徐々に人脈もでき、自然と知識が蓄積されていきました」

身につけた医療知識は、現在、クライアントだけでなく、様々な書籍の執筆・監修をとおして、開業を目指す全国の医師のために役立てている。関根氏は、「ここまでくるのに時間と労力は相当使ったが、その過程はとても楽しかった」と振り返る。

「建築の仕事は、その土地、その人に合うたった一つの建物を、徹底的に追究することが面白い」

ページ: 1 2

PROFILE

代表取締役 関根裕司

代表取締役 関根裕司
Yuji Sekine
せきね・ゆうじ/1958年、東京都生まれ。
80年、千葉大学工学部建築学科卒業後、株式会社桑田建築設計事務所入所。
フリーランス期間を経て、88年、株式会社ワークショップに参画。
93年、有限会社アルボスを設立。一級建築士。

人気のある記事

アーキテクツマガジンは、建築設計業界で働くみなさまの
キャリアアップをサポートするアーキテクト・エージェンシーが運営しています。

  • アーキテクトエージェンシー

ページトップへ