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国内9年、海外20年のキャリアを武器に、これからも伸びゆくアジアを拠点に活動したい

国内9年、海外20年のキャリアを武器に、これからも伸びゆくアジアを拠点に活動したい

五洋建設株式会社 国際事業本部 シンガポール営業所長 山下 一志

日本の誇る建築・建設技術者を紹介する本連載の2回目に登場願うのは、シンガポールに赴任して18年、施工管理の立場で、同国の代表的建造物の数々を手がけてきた、五洋建設の山下一志氏だ。日本とは異なる作業環境の中で人を束ね、難題を克服していく極意とは━━。

国内9年、海外20年のキャリアを武器に、これからも伸びゆくアジアを拠点に活動したい

海外に出たからこそわかる、日本の長所と短所

入社以来、海外勤務は通算20年と、国内の倍を超えた。「海外の工事が多い」ことが入社動機の一つだったとはいえ、「英語に対する苦手意識もあって、最初に行けといわれた時には戸惑いも大きかった」と山下氏は言う。
「ただ、特に18年腰を落ち着けたシンガポールでの日々を振り返ってみると、来てよかったとつくづく思います」

いくつものシンボリックな建造物にかかわれたこと以外に、「外に出たからこそ、日本の長所も足りない点もよく見えた」ことをその理由に挙げる。
「日本人の責任感の強さ、それにも裏打ちされた技術力の高さ。これは間違いなくどこにも引けをとらないと思います。半面、ここに集まってくる世界中の人たちの中には、日本人にないマネジメント能力や、決断の速さを持った人間がゴマンといて、悔しい思いもする。この感覚は、たぶん日本にいるだけではわからないでしょうね」

自らの経験も踏まえ、若い世代には、「建設業界に限らず、とにかく〝小さな島〞に閉じこもることなく、海外に出てほしい。そこでいろんな国の人たちと接し、仕事をすることによって、人間としてもビジネスパースンとしても間違いなく成長できるはずです」とエールを送る。
「今後の課題は、次世代を担う人材の育成。いつまでも旗振り役ではなく、若手にどんどんチャンスを与えたいと思っています。個人的には、これからも海外で仕事をしたい。シンガポール以外の国々にも、『五洋は、こんなに素晴らしい建物をつくるんだ』ということを広めていけたらいいですね」

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PROFILE

山下 一志

1962年、鹿児島県生まれ。

85年、鹿児島大学工学部建築学科卒業後、五洋建設株式会社に入社。

2013年4月、シンガポール営業所長に就任。

一級建築士、一級建築施工管理技術士。

長尾 剛

1964年、愛媛県生まれ。

86年、芝浦工業大学工学部建築工学科卒業後、五洋建設株式会社に入社。

2013年4月、シンガポール営業所副所長に就任。

一級建築士、一級建築施工管理技術士。

伊原 成章

1963年、千葉県生まれ。

日本大学理工学部建築学科卒業後、中堅ゼネコン構造設計部を経て、

91年、五洋建設株式会社入社。

現在はシンガポール営業所国立大学病院建築工事事務所で所長。

一級建築士。

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