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植物と建築を最適につなぐ提案で、 新たな顧客と市場を開拓し続ける

植物と建築を最適につなぐ提案で、 新たな顧客と市場を開拓し続ける

古谷デザイン建築設計事務所 古谷 俊一

建築・家具・植栽をトータルで考える

2009年に独立。当初は造園と家具コーディネートを軸足に、リノベーション事業のデザインなどを受注していた。独立後5年ほどは、建築の確認申請を出したことはなかったという。

「ですが、強烈な建築家への憧れというのは石山研時代から持ち続けていたので、いつかは、設計で活躍したいという気持ちはありました」

その後、友人の家の設計をきっかけに建築設計の受注が増え、一連の大森ロッヂの作品では住宅建築賞など多くの賞を受賞。現在は、年間で大小15ほどのプロジェクトを回し続けている。

建築設計が多くなった現在でも、造園工事から家具コーディネートまでを一貫して行うスタイルは変わらない。

「肝要なのは、最初にお出しするコストのなかに、植栽と家具の予算をしっかりと確保して死守してもらうことです。どうしても建築に流れてしまいがちですが、最終的には植栽と家具の充実が圧倒的な満足感につながります」

植物を熟知し、建築と造園を同レベルで扱うからこそ、敷地内で建築と植物がバランスよく共存できるのだという。また、その後の植栽管理までを請け負うことから、事務所として設計料以外の安定的な収入につながっている。所員は10名。ほとんどがアトリエや組織事務所からの転職組だ。案件が拡大していることから、現在も新卒・中途を問わず人材を募集中である。

「物件ごとの担当制を取っているので、建築から造園、家具までの流れを一とおり学べる環境になっています」

建築設計の経験を積むに従って、見えてきたものがあると古谷氏は語る。

「最初はがっぷり四つに組んで、どちらが寄り切るかという気持ちで設計をしていました。今は、オーナーの希望を叶えながら、僕らのやりたい建築をつくり出す焦点が合うようになってきたと感じています。そろそろ海外の物件や公共施設も手がけてみたいですね」

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PROFILE

古谷 俊一

古谷 俊一
ふるや・しゅんいち

1974年、東京都生まれ。97年、明治大学理工学部建築学科卒業。
2000年、早稲田大学大学院理工学研究科建築学専攻修了(石山修武研究室)。
IDÉE、都市デザインシステム(現UDS)を経て、
09年、古谷デザイン建築設計事務所を設立。22年、みどりの空間工作所設立。
著書に、『みどりの建築術』(エイ出版社)、『みどりの空間学』(学芸出版社)など。
京都芸術大学客員教授。一級建築士。

古谷デザイン建築設計事務所

所在地/東京都目黒区碑文谷3-1-1
Liveon HIMONYA 2F-D
TEL/03-6452-2623
https://www.furuyadesign.com/

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