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新虎通りCOREで挑む</br>働き方改革プロジェクト

新虎通りCOREで挑む
働き方改革プロジェクト

井川幸広×斎藤裕明

2018年10月、クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)本社が、東京の新たなシンボルストリート、新虎通り沿道に建てられた「新虎通りCORE」に移転。
オフィス階11フロアと屋上のすべてを使って都内に点在していたグループ企業を集結し、
シナジーの醸成と同社流の働き方改革を目指す。C&R社代表の井川と、
総合的なワークプレイスデザインを監修した日建設計の齋藤氏に、オフィス完成までの道のりを語ってもらった。

経営側の意図を現場につなぐ役割を期待

井川 2006年に東京・麹町の5階建ビル全館を本社にしてから、毎年事業分野やグループを拡大。社員もどんどん増やしたため、本社以外にもオフィスを構えざるを得なくなったのです。今回の新虎通りへのオフィス移転の主目的は、点在していたグループ会社や事業部を1カ所に集めることでした。

齋藤 1500人を超える大移動でしたね。確かに、ITが発達した現代とはいえ、直接対面してのコミュニケーションはとても大切だと思います。

井川 当社は創業以来、何度も移転をしながら〝器〞を広げ、そのたびに業績が拡大することを実証してきました。当然、その効果も狙っています。

齋藤 今回は、社内に移転専任チームを立ち上げ、実際にデザインを実行する専門事業者を選定、そのうえで当社に総合的なワークプレイスデザインの監修をご依頼いただきました。そこには、井川社長の思いを、現場につなぐ役割もご期待いただきました。

井川 私には「こうしたい」という意思やイメージがありましたが、それを実際のオフィススペースにどう落とし込んで表現するかは難しい。現場には現場の考えもありますから。その調整は、双方の気持ちを汲み取って具体的なかたちの実現に長けているプロに任せるべきと判断して、国内で最も多くの実績をお持ちの日建設計さんにお願いしました。

齋藤 ありがとうございます。以来、井川社長には月に約4回、計50回以上ものお時間をいただいてお考えを伺いました。並行して、社員の方々のニーズも吸収しながら、1年以上の時間をかけて提案をまとめることができたのは、我々にとっても、今後に生かせる貴重なプロジェクトとなりました。

 

ワークプレイス改善で”働き方改革”を促進

井川 効率的に動けて生産性が上がるオフィスにしたかったのは当然として、一番ケアしたかったのは、社員がいかに気持ちよく働けるかということ。イメージはあっても自信があったわけではないので、齋藤さんの的確なアドバイスに助けられました。各職種の社員の働く立場を考えた、細かな動線の配慮、提案はさすがだなと。

齋藤 できる限りコストを抑えつつ、当社が培ってきた知見・ノウハウをすべて注ぎ込めたと思っています。

井川 全社フリーアドレスとした狙いは、部署やグループを超えたコミュニケーションを促進させたかったからです。クリエイターが誇りを持って働けるスタジオ、斬新な発想を生み出すための企画ルーム、仲間意識を高め融合を促すコミュニケーションスペースなど、ほぼイメージどおりの新社屋になったと満足しています。さらに、受付の壁全面を曲面のスクリーンにして、プロジェクションマッピングを投影するというアイデアも実現できました。

齋藤 プロジェクションマッピングは、御社のブランディングにつながる重要なポイントです。カーブ面の施工は技術的に難しく何度も調整を重ねましたが、結果的に素晴らしいおもてなし空間となりました。さて、移転から2カ月以上が経ちましたが、社員の方々の反響はいかがですか?

井川 私も気になって、社員に聞いたのですが、みんな「想像以上にいい」「とても仕事がしやすくなった」と大好評です。フリーアドレスへの移行も、専用デスクがなくなる管理職の不安を心配しましたが、みんな前向きに受け止めてくれているようでひと安心です。

齋藤 そうやって自ら反応を確かめられる経営者はそう多くないです(笑)。私もコミュニケーションスペースを覗かせてもらいましたが、多くの社員の方が集まっていて活気がありました。

井川 ちなみに、移転作業で慌ただしかったにもかかわらず、この10月の月間売上高は過去最高でした。社員がいかにモチベートされてよく動いてくれたかがわかりますね。

齋藤 今回の移転プロジェクトは、ワークプレイスの改善を通じた〝働き方改革〞の好例となったと思います。

井川 今後も社員の働き心地、仕事へのモチベーションを高めるワークプレイスデザインのアイデアがありましたら、ぜひご提案ください。

齋藤 もちろんです。これからもお付き合いをよろしくお願いします。

 

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