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知識、技術、経験、―― そして“段取り力”それらの総合力を、常に追求し続けてきた

知識、技術、経験、―― そして“段取り力”それらの総合力を、常に追求し続けてきた

株式会社大林組東千葉メディカルセンター工事事務所所長 田渕成明

自立式電波塔として“世界最高”の高さを誇る「東京スカイツリー」。日本の誇る建築・建設技術者を紹介する本連載1回目にご登場願ったのは、東京の新たな“シンボル”の建設を作業所長として支えた大林組の田渕成明氏である。同社入社以来、一貫して施工管理に携わり、大型物件を中心に二十数件の実績を重ねた田渕氏の人生と、プロフェッショナルの心意気を聞いた。

図面から3次元の建物が浮かび上がる。それが理想

田渕氏は現在、今年4月開院予定の東千葉メディカルセンター(千葉県東金市)建設工事の工事事務所所長の任にある。40年のキャリアにして、「病院の現場は初めて」だ。「改めて感じるのは、顧客のニーズをつかむことの大切さ。今回は医療機関として使いやすく、維持管理のしやすいことが至上命題です。一方、設計する側にも、ポリシーやそれなりのこだわりがある。そこをうまく調整しながら、限られた予算の中で、完成した時にみんなが喜んでくれるものにするのが、我々の仕事。ただつくればいい、ではなく、施工者として、いろいろな提案もさせていただいています」

田渕氏には忘れられない現場がある。入社20年目の93年、管理職となり、初めての超高層ビルの工事長を務めたキヤノン販売(当時)幕張ビル新築工事だ。当時、上司だった所長は社内でも有名な“うるさ方”だった。「お前に任せる。ただ任せる以上は、俺を納得させろ、と。提案を持っていっても、次々にボツ。『それは無理です』と言えば『いや、できる』。絶対に”答え”を教えてくれない。『お前、それでも技術者か』ともよく言われました。でも苦心惨憺してようやく納得してもらうと、今度は全面的にサポートしてくれました。要するに常に自ら考え抜き、汗を出し尽くして答えを持ってこいという教えだったのだと思います」

振り返れば「大きく成長できるきっかけになった現場」だと述懐する。そんな田渕氏に、若きアーキテクトたちへのメッセージをもらった。「今はCADの時代。図面でも書類でも、見た目はきれいになりました。でも中には、首をかしげたくなるような“作品”も少なくありません。美しいイコール完璧だと錯覚してしまう。あえて言えば、施工計画図などはCADなど使わず、図面に直接鉛筆で記したほうが、早いし正確です。泥臭くてもいい、図面を見ただけで3次元CADのごとく、頭の中で立体的な形状を描けるくらいになってほしい。コンピュータに頼らず、自らの感性を磨いてもらいたいのです。そのためには知識と経験が必要。できるだけ多くの現場を見ることに勝る勉強はありません」

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PROFILE

田渕 成明

田渕 成明
Shigeaki Tabuchi
1954年5月7日  大阪府能勢町生まれ
1973年3月  大阪市立都島工業高等学校建築科卒業
   4月  株式会社大林組入社
1976年12月  2級建築士取得
1982年2月  1級建築士取得
1989年3月  1級建築
 施工管理技士取得
2004年1月  監理技術者取得
株式会社大林組
創業  1892年1月
設立  1936年12月
代表者  白石 達
資本金  577億5200万円
本社所在地  東京都港区港南2-15-2

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