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産官学をブリッジし、構造問題の“解”を導く――。各人が広い視野を持ち、新領域に切り込み続ける

産官学をブリッジし、構造問題の“解”を導く――。各人が広い視野を持ち、新領域に切り込み続ける

株式会社 構造計画研究所

独自の〝技〞で建築業界をリードする会社、組織を紹介する本企画の1回目にご登場願うのは、構造設計分野で我が国トップクラスの実績と55年の歴史を誇る構造計画研究所である。構造設計部の責任者である川端淳氏、他社が二の足を踏むユニークな建造物も手がける関根渉氏、そして営業部門のリーダー中村仁氏に、〝仕事の極意〞を語ってもらった。

〝常道〞からそれたアイデアにも挑戦できる社風

同業他社同様、同社の場合もベーシックな建築の設計が圧倒的に多い。ただ関根氏のチームでは、一般的な建物だけではなく、特別な審査対応技術が必要になるような特殊建築物などを手がけている。

関根氏に一例を挙げてもらおう。
「あるメーカーの社長から『緩衝材用の発泡スチロールを、建材に使えないだろうか』という相談を受けたのです。建物の構造部材といえば、木、鉄、コンクリートが一般的で、発泡スチロールの建物も適切な構造計算により建設可能でしたが、許認可の厳格化により、広く普及させるためには大臣認定が必須となりました。そこで大学の先生に協力を仰ぎ、調査機関に1年以上かけて審査してもらい、国土交通省の認定を取得。認定を受けたのは2011年。『姉歯事件』を機に建築基準法の規制が強化された下で認定されたことに、大きな意義があると私は思っています。それができたのは、まさに産学の連携があったからです」

川端氏は言う。
「世の中にないものを生み出そうという発想はあっても、建造物には許認可が必要ですし、ほかにもいろいろなハードルをクリアしなくてはなりません。それは多くの場合、我々の力だけでは不十分なのです。今の話でいえば、メーカーに構造材の製造技術があり、我々は実際に設計し許認可を取り、その過程で大学の頭脳の助けを借り、というコラボレーションの賜物。まさに『大学・研究機関と実業界を結ぶ』という当社の価値を具現化した成果でした」

中村氏は「当社はメーカーではないので、自分たちでモノをつくるというより、我々がお客さまから『何とかできないか』という依頼を受け、それに応えていくという仕事がメインになります。一般的な、構造設計事務所の看板を掲げている事務所であれば、発泡スチロールの建材を建物に使用するには?なんていう仕事は受注しないはず」と語る。

「先ほど川端も言ったように、法律に従って粛々と設計するというのが〝常道〞。ところが当社の場合は、お客さまの要望があれば今の法律に想定されていないものも何とか生み出していこう、というスタンスなのです。そこまでは、なかなか真似できないのではないでしょうか」

しかし、あえて〝常道〞からそれたことまでやろうとするのは、なぜなのか? 水を向けた川端氏からは「ひとことでいえば、そういう社風なんです」という答えが返ってきた。
「社内には、いつも新しいことをやろうという雰囲気があります。面白そうだし、お客さまが自分たちと一緒にやりたいとおっしゃっているし、だったら手伝おう、というかたちのプロジェクトが比較的自由に実現できる会社であることは確かです」

関根氏も「先輩には〝遊び心〞を忘れずに仕事に取り組んでいる人が多かった。その背中を見ているうちに、自分もチャレンジしようという気持ちに自然になるものです。そういう積み重ねが社風と、伝統をかたちづくってきたのではないでしょうか」と語る。「当社はストライクゾーンが広くて、いろんなニーズ、問い合わせに答えが出せる。それが営業面でも強みになっているのは間違いありません」とは、中村氏の感想である。

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PROFILE

川端 淳

1996年、大阪工業大学工学部建築学科卒業後、株式会社構造計画研究所に入社。

構造設計部に配属され、その後も一貫して同部の業務に従事する。

大阪と九州の事業部部長を経て、2012年、同部部長に就任。

構造設計一級建築士。

関根 渉

1991年、日本大学理工学部建築学科卒業後、株式会社構造計画研究所に入社。

構造解析ソフト販売、既存建物診断、地盤解析、新築構造・免震構造設計など、

入社以来、幅広い領域の業務に従事し、構造設計部へ。
構造設計一級建築士。

中村 仁

2000年、名古屋大学大学院工学研究科建築学専攻修了後、株式会社構造計画研究所に入社。

構造設計部に配属され、7年間同部の業務に従事。

その後、事業企画部、新領域営業部を経て、2011年、建築構造営業部部長に就任。

株式会社構造計画研究所

設立/1959年5月
代表者/服部正太
資本金/10億1000万円
所在地/東京都中野区本町
4-38-13 日本ホルスタイン会館内

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