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お気に入りのライフスタイルを叶える<br/>屋内ガレージ付きDIY賃貸住宅が、<br/>土地オーナーと借り手から大絶賛!

お気に入りのライフスタイルを叶える
屋内ガレージ付きDIY賃貸住宅が、
土地オーナーと借り手から大絶賛!

STAPLE HOUSE KOGASAKA

クリーク・アンド・リバー社(C&R社)建築グループが展開する「CREATIVE RESIDENCE®」シリーズ。貸し手・住み手・つくり手の3者にメリットをもたらす賃貸住宅の実現をプロデュースしている。
この秋、シリーズ第3弾として屋内ガレージ付き戸建賃貸住宅「STAPLEHOUSE® KOGASAKA」が、東京・町田市に竣工。シンプルな木製フレームを基本構造に採用し、建築コスト圧縮と工期短縮を実現、オーナーの投資資金の早期回収を目指す。延床面積100㎡超の空間の随所に〝DIY〞の要素を盛り込み、住み手には、ライフスタイルに応じた自由な使い方を提案。
今回は、本物件を設計した建築家、Kaデザイン代表の山本健太郎氏と、C&R社建築グループ・プロデュース担当の鈴木謙一氏に、背景や設計のポイント、成果について聞いた。

「I型ジョイスト」採用の設計で、施主の要望に応える

本物件発想の原点は、2016年春、山本氏が「I型ジョイスト」という複合部材を使った建物を見学したことにある。I型ジョイストは無垢材よりも強度や精度が高く、ロングスパンの構造材として使えることが知られている。

 

「I型ジョイストのような構造材は、普通は隠すので目にすることは滅多にないのですが、見学した建物は建て方直後でそのまま見えている状態でした。そして、空からそこにいい具合に光が落ちて、非常に美しかった。自分もI型ジョイストを活用した建物を設計してみたいと思ったのです」

山本氏はさっそくC&R社建築グループに相談を持ちかける。山本氏は同グループの〝登録建築士〞である。

施主のニーズと登録建築士のアイデアをマッチングする同グループに提案することで、イメージしていた建物を設計するチャンスを得ようと考えたのだ。山本氏からの提案を受けた同グループ・プロデュース担当の鈴木氏は、I型ジョイストを使った当該物件を見学に行き、実現可能性を感じたという。

「ある施主のニーズに応えられる提案ができるのではないか、とひらめいたのです」(鈴木氏)。

ちょうどその頃、鈴木氏は町田市高ヶ坂エリアに土地を保有するS氏から、土地の有効活用のアイデアを求められていた。

当初S氏は、相続税対策のため、土地の一部売却を検討していたそうだ。それに対し、鈴木氏は、できれば良質な賃貸住宅を建て、その利回りを相続税に充当する策を講じたほうが、オーナーのためにも、地域のためにもなるという提案をしていたのだ。道路に面した土地を手放してしまうと、チェーン店ができ、どこにでもある画一的なまちの景色になってしまう。かといって賃貸アパート経営は飽和状態で、うまくいかないことも多い。いずれにしても、土地オーナーが代替わりしていくなかで、まちとしての価値が高まるような土地の有効活用をすることが大切なのは間違いない。

 

「まち自体の代替わりをうまく進めないと、例えば地域の行事を受け継ぐ人がいなくなるなど、地域がどんどん壊れていってしまう。良質な賃貸住宅を建てれば、若い世代が戻ってくることも期待できます。とはいえ、高ヶ坂のその土地は、最寄り駅から徒歩19分という不利なロケーションで、どういったソリューションがあるか思案中でした。そんなタイミングで、山本さんからの提案があったのです」(鈴木氏)

 

また鈴木氏は、山本氏が横浜市のあざみ野で手がけた屋内ガレージ付きテラスハウスを同時に想起した。その物件は、駅から徒歩20分のロケーションにもかかわらず、120㎡ほどで20・5万円という家賃。しかも竣工以来14年間、空室なし、キャンセル待ちが出るほどの人気を得ていた。その要因の一つが、屋内ガレージだったのだ。別途駐車場を借りる必要がなく、外出の際はすぐに車に乗ることができる。車好きな人が願うライフスタイルとして、最適な住空間といえる。

 

「山本さんとI型ジョイストの物件を見学に行ったその現場で、これを高ヶ坂のオーナーに提案してみましょうと、話し合ったのです。ここから一気にSTAPLE HOUSEのプロジェクトが進んでいきました」(鈴木氏)

 

【次ページ】
様々な意見が集まるプロデュース機能のメリットを存分に活用

 

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PROFILE


山本健太郎

1 9 8 7 年、国立宮城工業高等専門学校建築学科卒業後、

三菱製紙株式会社工務部入社。

92年、株式会社淺沼組東京本店設計部入社。

96年、ケンタロー・アーキテクツ設立。

99年、テレデザイン・コラボレーションの設立に参画。

2001年、有限会社Kaテレデザインへ名称変更。

05年、有限会社Kaデザインへ名称変更。

10年より関東学院大学非常勤講師。一級建築士。

クリーク・アンド・リバー社 建築グループ プロデュースチーム

当社のプロデュースチームに設計・プランニングなどの提案を依頼されたい方々、

今後、当社のプロデュース案件にチャレンジしてみたい設計事務所・建築会社・

建築士の皆様からのご連絡、エントリーをお待ちしております。
TEL /0800-170-0091(フリーコール)

URL/http://www.arc-agency.jp/

 

物件概要 クリエイティブ レジデンスシリーズ No.05

物件名/STAPLE HOUSE KOGASAKA
( ステープル ハウス コガサカ)
所在地/東京都町田市高ヶ坂6丁目
構造/木造2階建て1LDK(3棟)
敷地面積/391.46㎡
延床面積/313.02㎡
竣工/2018年9月

企画/株式会社クリーク・アンド・リバー社
設計/有限会社Kaデザイン 一級建築士事務所

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