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常に“そこにある意味”を問い続け、長く愛される公園のような空間を提案。説得力のあるデザインで勝負

常に“そこにある意味”を問い続け、長く愛される公園のような空間を提案。説得力のあるデザインで勝負

UAo

代表取締役を務める伊藤麻理氏が、同社の前身であるアトリエインクを立ち上げたのは、2006年のことだ。約4年間の、オランダでの〝修業〞を経てのことだった。
「オランダに行ったのは、大好きな建築家、レム・コールハウスの下で働いてみたかったからです。私は思い立ったらすぐ行動に移すタイプ。英語も話せないのに作品だけ抱えて行ったのですが、案の定、門前払いです(笑)。でも、雇ってもらった別の小さな設計事務所では、今につながる貴重な経験をすることができました」

帰国してからは主として住宅を手がけ、13年に株式会社化。現在は設計技術者など総勢5名の陣容となっている。
独立当初、「自分のスタイルを確立するのが、すごく大変だった」と伊藤氏は振り返る。
「女性建築家というと、軽くてふわっとした、柔らかい感じの建物をつくるんじゃないかと思われがちですが、それは私の目指すものではありませんでした。いろいろ考えてたどり着いたのは、〝その場所だからできるもの〞を追求していこう、ということ。同時に、〝提案型〞の仕事を基本にすることも決めました。海外に行って勉強になったのは、向こうの設計って、コンセプトがものすごく明確なんですね。日本のようにクライアントの要望に沿ってつくります、ではなくて、〝ここにはこの建物です〞というのを、ストレートに提案する。私にはそのやり方が合っている、と感じたのです」

ただそのためには、そもそも「その場所に本当に必要な建物」は何なのか、を明確にする必要がある。
「大事になるのは、周辺も含めた現場の環境、建物が生む効果、影響といった、事前のリサーチです。その部分を徹底しているのも、ほかの事務所にない特徴ではないでしょうか」
「建築家だけではカバーできない」その機能を担っているのは、森本氏だ。もともとコンサルタント業を営んでいた森本氏は、「〝どうしてこのデザインなのか〞と疑問に思われるようなものをつくらない、が合言葉です」と明快に語る。

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PROFILE

伊藤麻理

伊藤麻理

1974年、栃木県生まれ。

99年、東洋大学大学院工学科建築学専攻修了。

スタジオ建築計画、Atelier Kempe Thill architects and planners(オランダ)を経て、

2006年に独立。

13年、現社名に変更。東洋大学非常勤講師。

UAo株式会社

所在地/東京都渋谷区桜丘町30-4-102
TEL/03-6455-1822
http://www.u-a-o.jp/
代表取締役の伊藤麻理氏が独立し、2006年にアトリエインク設立。

0 9 年、1 級建築士事務所U r b a nArchitecture Office.合同会社に改名。

13年、現UAo株式会社に。公共施設、住宅を中心に手がけ、

半数以上がコンペによる案件。浄土宗正法寺本堂設計者選定競技(07年)、

群馬県総合情報センター設計者選定競技(08年)、

小松駅東「広域活用ゾーン」利活用施設新築工事公募型プロポーザル設計競技(11年)で1等の実績がある。

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