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常に利用者が笑顔になる建築を――。 全国各地に事務所・支所を展開し、 現地の技術スタッフが最適解を提案

常に利用者が笑顔になる建築を――。 全国各地に事務所・支所を展開し、 現地の技術スタッフが最適解を提案

大建設計

常に利用者が笑顔になる建築を――。
全国各地に事務所・支所を展開し、現地の技術スタッフが最適解を提案

今年は17名の新入社員が入社。今年度から、全員参加の統一新人研修プログラムを実施している。
東京採用の9名は対面形式で、大阪、九州の事業所からはオンラインで参加

1948年に大阪建設事務所として創業した大建設計は、その後、名古屋、東京、九州の順に拠点を拡大。名称変更を経て、78年に本社を東京に移す。「創業当初は大阪が都市計画系を、東京が製鉄所などプラント系の設計を担っていました。この時期の記念碑的な作品として、68年の油壷マリンパーク(神奈川県)があります。結果、この建築が当社を水族館建築のプロフェッショナルとして位置付けることになりました」と菅野尚教社長は振り返る。

その後、地方展開をさらに進め、現在では北海道から沖縄まで8拠点に事務所を構える。それぞれが単なる営業拠点ではなく、地域に密着した事務所としての役割を担い、設計者を配置しているのが特徴だ。直近の25年間は、経営理念の整備やISO取得による組織の一体化を進めつつ、プラント施設、動物園・水族館施設など、高度な専門技術が求められる設計を数多く提案し続けている。

「製鉄所のような特殊な施設を設計してきた技術は、当社の構造技術を発展させ、アリーナなどの大空間の設計につながりました。また、地下街の設計にも長年にわたって携わり、現在の大阪の地下街のおよそ9割は、我が社の仕事となっています」と菅野氏。

付加価値の高いものづくりを目指す同社は、長年にわたり、全社的に技術の継承を促進する仕組みづくりに取り組んできた。技術面での連携の中心として、社内に「デザインセンター」を創設し、ここを都市計画や水族館など各専門分野の知見が共有できる場としている。加えて、意匠・構造・設備・コスト管理などの技術の横通しは「テクニカルセンター」が行い、標準図の整備などを進める。これら〝縦横の連携〞をさらに強化し、加えてDXを推進するために、今年4月には部門や事務所ごとの組織をまとめた組織連携図を全社員に公開した。

「これまではプロジェクトの担当を各拠点単位で決めていましたが、コロナ禍を機にリモートワークが定着したことから、全国規模での柔軟な考え方に転換しています。現在では、どの地域やどのジャンルのプロジェクトでも、全社のスタッフが自由に手を挙げ、チャレンジできる仕組みです。人材が流動的に動くことで、幅広い技術の継承が促進されるのではないでしょうか」と菅野氏はその成果を語る。

この考え方は、キャリア採用についても同様だ。必ずしも採用する事業所と出勤する事業所が一致する必要はない。地方での採用を全社的に捉えることで、優秀な人材を確保できる機会を増やしているのだ。

「DXの推進も単なる効率化とは考えていません。もちろん効率を上げれば利益は増加しますが、それよりも自由な時間を確保し、社員が楽しく働く環境を生み出すことが重要です」

一方で、クライアントとのかかわりにおいては、リアルな接点の重要性を強く認識している。特に地方のクライアントに、直接足を運び提案することで熱意が伝わりやすく、密接な関係性が築きやすいのだという。

また近年は、隈研吾氏をはじめとする著名な建築家との協働や監修物件が増加しており、各地で様々なプロジェクトが進行している。建築家のデザインを実現するプロセスにおいて、同社の技術力が高く評価された結果と言えるだろう。

同社は今年、創立75周年を迎え、記念企画として設計の理念を表現した特集紙を発刊した。この特集紙には、いわゆる建物のみの竣工写真ではなく、建物を利用する人々や、そこに暮らす動物たちの表情を捉えた写真を選んだ。

「当社は、利用者の笑顔を引き出し、動物たちの健康を守るという使命を追求しています。卓越した建築は、社会の持続可能性の推進にも貢献できるはずです。だからこそ、クライアントが建築に寄せる思いや利用方法に対して徹底的なリサーチを行い、それを正確に読み解くことが優れた建築設計につながると確信しています」

ミーティングルームには、同社設計の水族館の写真が壁一面に。動物園の受注も増加しており、両施設は絶えず何らかの物件が動いている
PROFILE

株式会社大建設計
代表取締 役社長 菅野尚教

かんの・ひさ のり

1981年、神戸大学大学院工学研究科建築学専攻課程修了後、株式会社大建設計入社。
技術開発、構造設計、建築設計部門など多種の分野に携わる。
2011年、大阪事務所所長。15年、東京事務所所長。
20年、トータルソリューション部門(東ブロック)統括。
21年より現職。全国に拠点を構える地域密着型の組織事務所として、
拠点ネットワークの充実により総合力を高め、
顧客満足度の向上と環境・社会への貢献と実現を目指す。

株式会社大建設計

1948年創立。意匠・建築構造・建築設備・エンジニアリングシステムなどを総合的に計画・設計、建築全般にわたる企画・コンサルティング業務を行う。全国各地に事務所・支所を構え、技術スタッフを配置している。

所在地/東京都品川区東五反田5-10-8 大建設計東京ビル
TEL/03-5424-8600
https://www.daiken-sekkei.co.jp/

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