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乃村の総合力を生かし、 斬新な保育施設を提案。</br> 日本の未来を担う 子供たちの育成に貢献技

乃村の総合力を生かし、 斬新な保育施設を提案。
日本の未来を担う 子供たちの育成に貢献技

乃村工藝社 NOMURA Co., Ltd

創業127年。四国・高松の芝居小屋での大道具制作から始まった乃村工藝社は、以来、仕事の範囲を着実に広げ、百貨店やショールーム、博物館、科学館など、各種施設における内装・展示の企画、デザイン・設計、制作・施工、運営管理など、時代に求められる〝空間づくり〞のノウハウを蓄積させてきた。そんな同社が保育施設を扱う専門チームを結成したのは2014年のこと。その名称は「全国こども施設開設支援プロジェクト」。同プロジェクト誕生の経緯、狙いを聞いた。

顧客に寄り添う姿勢は
企画から運営管理まで一貫して担うからこそ

プロジェクトの起点をつくり出すのは、開発営業の大橋史歩氏だ。

「以前からお付き合いのあるクライアントのお困り事をヒアリングしたり、新規の保育園事業者様にアプローチをかけたり。保育施設は何よりも安心・安全が要求されます。その点『乃村に任せればいいものが生まれる』という期待感を持ってもらえるような提案を心がけています」

企業主導型保育所をつくるには様々な制約条件がある。例えば、オフィス街に設置されることが多いため面積が狭いこと。それでも保育所として安全に使用できるよう設備を備えなければならない。また床面積が200㎡を超えると用途変更の手続きが必要になるため、これは避けたい。
さらには、利用する子供の目、保護者の目、施主である企業の目、保育所を運営する事業者の目といった、〝4つの目〞の評価に耐えうるものでなければならない。

「多くの制約条件のもとで、子供が遊ぶ場所、収納場所、先生のための場所など、保育所に必要なすべての要素を集約していきます。4つの目がある分、ほかの施設に比べて、どうしても要望が多くなる。その落としどころを探ることが、常に課題となります」(松田氏)

 一度プロジェクトが動き出すと、今度は高田和哉氏が慌ただしくなる。彼の主な担当業務はスケジュール管理と予算の管理。特に重要なのがスケジュール管理だという。

「施主がいて、我々がいて、協力してくれる外部の設計者や施工会社がいる。それぞれが異なる要望を出してくるわけで、これをまとめるのが一番大変です。普通にやっていても折り合いがつかない。例えば施主は『もっと時間をかけてアイデアを練りたい』、けれど施工会社は『早くしないと工事が間に合わない』。当然ながら、そんなシーンがよくあります」

「自分はいつでも板挟み」だと苦笑する高田氏だが、これを解消する術は自身の熱量にあるということも、彼は知っている。

「一番は『いいものをつくりたい』という当事者皆の目標を共有すること。それにはプロジェクトマネジメントを行う私の熱量が必須です。熱が伝われば『君がそこまで言うなら』と皆が歩み寄ってくれる。だから今時の営業スタイルとは違って泥臭いですよ。メールや電話で済む話もできる限り直接出向いて話をしますし、現場に立ち会うことも多いですね」

もちろん、最優先するべきは顧客の意向だ。ここでも最大限に寄り添う姿勢を心がけるという高田氏。

「アフターフォローも大切にしています。先日は、水道の配管が錆びていると聞いて掃除をしにいったことも」

品川区認可保育園開園プロジェクト(東京都品川区/2019年)

品川区旗の台という地名から、“旗と和”をアクセントとしたデザインに。「色で空間を仕切る」というコンセプトから、色を平面的ではなく“3次元空間をつくる道具”として扱った 撮影/與 英治

 

 もっとも、顧客に寄り添う姿勢は高田氏だけのものではない。設計から制作・施工、運営管理まで、外部の建築士など協力者を入れながらも一貫して乃村工藝社が窓口に立つ、そのシステムに由来する。

「最初から最後まで当社がプロジェクトの責任を持つから寄り添える。直接話をするからご安心いただける。そういうことだと思います」(杉本氏)

こうして積み上げた保育所の実績が、ショールームや社内の食堂など、また別の案件へとつながっていくこともしばしばだ。

「保育所の依頼を受けてお悩みをヒアリングするうち、『保育所をつくるよりお母さんがくつろげるカフェをつくったほうがいいのでは?』とこちらからご提案することもあります」(杉本氏)

同社は多様な分野の専門チームを抱えており、保育所から派生するどのようなニーズにも対応可能だ。このあたりはさすが127年の歴史を持つ〝乃村の総合力〞というべきだろう。

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保育所にとどまらず子供のための施設にノウハウを生かす

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PROFILE

株式会社乃村工藝社
NOMURA Co., Ltd

創業/1892年3月15日
代表者/代表取締役会長 渡辺 勝
代表取締役社長 榎本修次
所在地/東京都港区台場2-3-4
https://www.nomurakougei.co.jp/

松田 裕介/Yusuke Matsuda

2007年、立教大学法学部卒業後、乃村工藝社に入社。
本社勤務後、5年間の北海道支店を経て、
全国こども施設開設支援プロジェクトを立ち上げる。
プロジェクトリーダー。

杉本 渉/Wataru Sugimoto

2014年、東京都市大学大学院建築学専攻修了後、

三上建築事務所意匠設計担当を経て、乃村工藝社に入社。

クリエィティブ本部デザイナー。

高田 和哉/Kazuya Takata

2018年、香川大学経済学部経済学科卒業後、乃村工藝社に入社。

第三事業本部営業1部1課プロジェクトマネジメント担当。

大橋 史歩/Shiho Ohashi

2012年、東京国際大学国際関係学部卒業後、
オフィスの設計会社など勤務を経て、乃村工藝社に入社。
第三事業本部営業1部1課開発営業担当。

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