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顧客ニーズをどこまでも探りながら、期待を超越する作品で驚きと感動を

顧客ニーズをどこまでも探りながら、期待を超越する作品で驚きと感動を

株式会社イリア デザイン部門

「何でもやる」心意気が強み

同社は、インテリアデザイン、ファシリティープログラミング、グラフィックデザインに携わる「デザイン部門」のほか、「FFE(家具・備品)」「コンストラクション」の各部門が、ビジネスの3本柱となっている。「例えば、ホテルFFEの調達代行業務は、その分野で日本一の実績とデータを持っています実際に家具や備品まで含むデザインプロジェクトにおいては、そのデータやノウハウが生かされる。インテリア事業をトータルに展開しているところが、我々デザイナーにとって、大きなメリットになっているんですよ」と、村井尚登プリンシパルデザイナーは語る。現在、デザイン部門には、82名のデザイナーとプランナーが在籍。対象物件は、オフィスとホテルが8割近くを占める主軸となっており、そのほか商業系施設なども手がけている。「最近は、ホテルの“おもてなしノウハウ”を生かした、医療福祉系のプロジェクトも増えつつある」という。

部門内には特にグループ分けはなく、プロジェクトごとに担当者を組み合わせている。「メンバーは、仕事を重ねるうちに、自然と得意分野がはっきりしてくるという感じですね。そんな適性に加えて、意外に重要なのがお客さまとの“相性”なんですよ。人間のやることですから、ここがギクシャクするといいものはできない。そうした点も考慮して、仕事を振り分けています」

あえて“ILYAデザイン”の特徴に水を向けると、「お客さまのニーズに対し、様々な答えを出せるのが当社の強み」という答えが返ってきた。「結果的に、“ちょっと元気なモダンさ”は共通しているかもしれませんが、“これぞILYA”というデザインの定番は存在しないのです。仕事の仕方も、デザインはもちろん、家具やアートワークも、インテリアに関することは分け隔てなく取り組む、というスタンスです。必要であれば、積極的に外部の人とも組みながら、常に“ここにしかない”最良の環境づくりを目指しているのです」

代え難い喜びが感じられる仕事

代え難い喜びが感じられる仕事

そうしたスタイルの底流にあるのが、創立以来モットーとする“顧客第一主義”である。「あえていえば、デザイナーとアーチストは違う。我々の仕事は、いかにお客さまに喜んでもらうか、なのです。どんなに“素晴らしい”ものができても、顧客に『全然違う』と言われた瞬間に、アウト。逆に、出来上がったものを見て、涙を流さんばかりに喜んでもらえることほど、デザイナー冥利に尽きるものはありません」

お客さまに喜んでもらうには、「100の要望に100で答えていてはダメ。想像を超えた空間を提供できてこそ、相手を心から感動させることができるのです」と、村井氏は言う。

「そのためには、まずお客さまの望みを、しっかり理解しなければなりません。ただ、往々にしてそれは漠然としたイメージだったりしますから、掴むのは簡単ではない。重要なのは、こちらも『どうしたら喜んでもらえるのか』を考えに考え抜くこと。その結果を提案し、徐々にかたちをつくり上げていく、という作業が必要になります。実はデザインというのは、最初から最後まで、顧客の声を聞き、顧客に向けて表現し続ける仕事なんですね。インテリアデザイナーに最も求められるのは、技術力はもとより、そうした相手とのコミュニケーション能力ではないかと感じています」

常に新しい風を入れ、世代をつないでいくため、新卒、中途を問わず、人材の採用はコンスタントに実施する。

「我々の仕事は、一回、一回が勝負です。いいものをつくれば、さらに顧客の要求のハードルは上がっていく。傍から見るよりきついのですが、同時に人を感動させ、心から感謝していただけるという、ほかにない喜びを体感できる現場でもあります。これからも、情熱を持った多くの人たちと、そうした喜びを分かち合っていきたいですね」

PROFILE

村井 尚登

村井 尚登
Satoshi Murai

むらい・ひさと/1985年、インテリアセンタースクール(現ICSカレッジオブアーツ)卒業。
同年、株式会社イリア入社。89~90年、ニューヨーク勤務。96~98年、シンガポール勤務。
2013年、インテリアデザイン部のプリンシパルデザイナー就任。

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