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柔軟な発想で、技術力、デザイン力、コンサルティング力を磨きながら、次代の社会が要請する新たな建築を

柔軟な発想で、技術力、デザイン力、コンサルティング力を磨きながら、次代の社会が要請する新たな建築を

現代建築研究所

1949年創業の現代建築研究所は、国内設計事務所のなかでも老舗の一つに数えられるだろう。創始者の北代禮一郎氏は東大の建築学科出身。卒業後、友人2人と共にそれぞれ1つずつ会社をつくった。以来、現代建築研究所と織本構造設計、建築設備設計研究所の3社は、役員や株式を交換しながら大規模なプロジェクトにおいては連携するという親しい関係にある。2代目社長、飯田修一氏は言う。

「当社の従業員は25名。いっぽう織本構造設計は100名、建築設備設計研究所は50名と、どちらも日本トップクラスの規模です。彼らの協力を得られることは、技術面における当社の強みになっています」

扱う案件はオフィス、住宅、ホテル、研究施設と多彩。「専門特化していないからこその柔軟性が武器」(飯田氏)だ。しかし近年は病院やグループホームなど医療福祉関連が拡大、売り上げの8割を占めるに至った。30年前から病院建築を手がけていた同社。病院と事業者が重なることから、福祉関連施設の依頼も自然と増えていったという経緯がある。

病院建築は同社の〝柔軟性〞が生きるジャンルでもある。病院建築は通常、「病院建築計画学」をベースにつくられるため、型にはまりやすい。その点、同社は型にとらわれず「一つひとつプロトタイプをつくるつもりで工夫する」のをスタイルとする。東京女子医科大学総合外来棟はその好例だろう。空港を思わせる巨大なアトリウムにより、病院としての機能性と病院らしからぬ快適性を両立させた。

同社の柔軟性は社会とのかかわりのなかでも発揮されている。銀行、保険会社など金融機関のオフィス設計が柱となった時代もある。だが高齢化が進むにつれ医療福祉事業に軸足を移した。時代の要請に応じて姿を変えられる身軽さがそこにはある。

「ある意味、主張しない(笑)。が、社会との関係を常に考えていないと〝独りよがり〞な建築になってしまうのは確か。デザインだけ、機能だけにフォーカスするのでは足りない。今何が社会から求められていて、我々は今何を提案するべきなのか、いつも敏感な事務所でありたいと思っています」

そういった意味で考えると、同社が対峙しようとしているのは、常に日本社会が抱える課題そのものともいえる。ヘルスケアは一つの柱にすぎない。

「これからは、観光に流通、植物工場や養殖場などの6次産業を加えた4分野に取り組もうとしています」

そのヘルスケア関連にも新潮流がある。高齢化がさらに進行すれば、病気と老化、医療と介護が切り分けられない時代が訪れる。2025年には800万人ともいわれる団塊世代が75歳以上になるのだ。急性期の患者だけを診る病院、介護だけを扱う老人ホームでは対処できず、住まい、予防、生活支援なども含めたより包括的なケアシステムが必要になることは疑いない。厚生労働省が「地域包括ケア」を推進しているのは、こうした背景からだ。

「当社は同様のモデルを『多世代交流ビレッジ』で実現していきたいと考えています。子供から老人まで多世代がともに暮らし、子育ても介護も支え合っていく――。病院やグループホームだけではない、暮らしも、産業も商業も教育も集めた一つの街のような場所です」

多世代交流ビレッジに示されているように、同社は建築という枠を超え、〝まちづくり〞を志向している。そこには医療も観光も、今後注力したい分野が網羅されているからだ。こうした事業を担っていくメンバーを、目下募集中である。飯田氏曰く、求めているのは〝設計職人〞ではなく「広い視野で仕事ができるジェネラリスト」。そのなかには、〝まちづくり〞に関するソフトの提案やコンサルティングができる人材も含まれている。

「もちろん美的なセンスも大切ですが、世の変化に敏感で、世の中がどう動いているか、人間が何を欲しているかわかる人が必要です。そして何より、新しい分野を切り開けるエネルギーのある人ですね」

PROFILE

株式会社現代建築研究所<br />代表取締役社長<br />飯田修一

株式会社現代建築研究所
代表取締役社長
飯田修一

いいだ・しゅういち/

1979年、東京大学工学部建築学科卒業後、現代建築研究所入社。
82年、国際協力事業団の業務にてカトマンズに2年駐在。

95年、同社取締役、

98年、代表取締役社長に就任。
医療経営コンサルタント協会会員。一級建築士。

株式会社現代建築研究所

所在地/東京都新宿区新宿2-8-8
とみん新宿ビル
TEL/03-3352-4471
http://gkkae.com/
1949年に創業。建築設計、都市計画、コンサルティン
グなどを事業とする。近年の受賞歴はJIA優秀建築賞な
ど(2010年「東京女子医科大学・早稲田大学連携先
端生命医科学研究教育施設」)。

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