アーキテクト・エージェンシーがお送りする建築最先端マガジン

Architect's magazine

MAGAZINE TOP > > 大成建設株式会社

都市に新たな生命を――。大手町の未来を変える、本格的な“森”が息づく、新たな都市再生プロジェクト

都市に新たな生命を――。大手町の未来を変える、本格的な“森”が息づく、新たな都市再生プロジェクト

大成建設株式会社

我が国屈指のオフィス街、東京・大手町に、突如「本物の森」が出現――。独自の〝技〞で建築業界をリードする組織を紹介する本企画に今回ご登場願うのは、スーパーゼネコンの一角、大成建設である。今年4月に竣工した「大手町タワー」の設計に携わった設計本部建築設計第二部の田口晃設計室長、設計本部専門技術部の山下剛史環境デザイン室長、それに施工の責任者を務めた佐々実大手町タワー作業所長に、計画から10年近くに及ぶビッグプロジェクトを振り返ってもらった。

建物による新たな価値の創造を目指して

ゼネコンには、一般の設計事務所と違って、設計・施工の一貫体制を敷いているという特徴がある。「今回のプロジェクトでも、その強みがいかんなく発揮されました」と田口氏は言う。

「一般的に、設計と施工が別の場合、設計図ができて施工者の入札を実施する際、例えば施工上どんな提案があるのか、工期短縮の提案があるのか、といったことを彼らに聞くわけです。しかし、その内容を評価するのには、結構な時間が必要になります。我々がやる場合には、そうした〝手続き〞は不要で、これがベスト、という施工側の意向を初めから取り込んで、設計を行うことができるのです。今回に関していえば、工事が大変な地下部分、超高層特有の施工についても、初期段階で設計に反映することができました。大規模な案件になればなるほど、時間軸からみたメリットは大きくなりますね」

佐々氏も、「当社には、建設の様々な研究開発を担う技術センターがあり、常に連携を取ることができるのも強み。『超高強度CFT柱』にしても、早い段階から技術センターや本社技術部が本件に加わり、実現性の検証を行った結果、遅滞なく施工の現場で使うことができました。いくつもの〝日本初〞が実現できたのも、そうした組織の一体化があればこそ、ですよ」と語る。

ところで、同社の行動指針は「自由闊達」「価値創造」「伝統進化」である。
その作成にもかかわったという田口氏は、「価値は〝付ける〞のではなく、〝創って〞いくべきもの」だと話す。

「自らの仕事に引きつけていえば、言われるとおりに図面を描くだけなら我々は要りません。本件もそうでしたが、建築物に〝そこにしかない価値〞を見いだしていこう、というチャレンジ精神があって、初めて新しいものが生まれるのです。これからも『ここに建てるのならば、こうした価値を持つべきだ』という思いにこだわり、さらに研ぎ澄ましていきたいですね」

山下氏、佐々氏にも、今後の目標を聞いてみた。
山下氏は、「私はランドスケープを担当していますが、一つのプロジェクトが終わった瞬間から、『果たして50年後の批判に耐えられるものができただろうか?』という自問自答が始まるのです。完成した時には斬新でも、時間とともに古ぼけてしまっては意味がありません。今後も目の前の案件に真摯に向き合い、自分の問いかけに常に『イエス』と答えられる仕事をしていきたいと思っています」と決意を語る。

一方、佐々氏は、「次の世代を育てるのが、私に課せられた大事な任務」だと語ってくれた。
「今回も新しい試みあり、困難への挑戦あり。このプロセスをどう実現し、打開していったのかをきちんと次代に伝え、血肉にしていってもらわなければなりません。あえて付け加えると、大手町タワーのプロジェクトに携わった当社の作業所員約100名のうち、11名は女性。有能な女性が数多く現場で活躍できるよう、そのための環境づくりにも力を尽くしたいですね」

固定ページ: 1 2 3

PROFILE

田口 晃

1990年、明治大学大学院修士課程修了後、大成建設入社。

同社設計本部建築設計第二部 設計室長。

一級建築士。

山下 剛史

1991年、大阪大学工学部建築工学科卒業後、大成建設入社。

同社設計本部専門技術部 環境デザイン室長。

一級建築士。登録ランドスケープアーキテクト。

佐々 実

1991年、早稲田大学理工学部建築学科卒業後、大成建築入社。

同社東京支店 大手町タワー作業所長。

一級建築士、一級建築施工管理技士。

大成建設株式会社

創業/1873年10月

設立/1917年12月

代表者/山内隆司

資本金/1124億4829万円

所在地/東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル

人気のある記事

アーキテクツマガジンは、建築設計業界で働くみなさまの
キャリアアップをサポートするアーキテクト・エージェンシーが運営しています。

  • アーキテクトエージェンシー

ページトップへ