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第1回ビムノバ報告 「BIMと私たちの将来像」

第1回ビムノバ報告 「BIMと私たちの将来像」

第1回ビムノバレポート

■実施日:2017/10/21(土)
■時間:13:00~16:30
■プログラム:
1.ごあいさつ
2.日建設計のBIMについて
:株式会社日建設計 濱田祐也氏
3.ワークショップ:テーマ『BIMと私たちの将来像』
①自己紹介
②CADオペレーターとBIMオペレーター
③BIM職能と適性

 

こんにちは、C&R社BIMチームの島谷です。今回初めての実施となった「ビムノバ」目的は、2つありました。
・主に派遣でBIM(Revit・ARCHICAD)などを実務で使用している皆様を扱っているみなさんの情報共有の場
・BIMオペレーターからどこへの向かうのか現状を整理しながら、仮説をたてる。
参加していただいた皆様ありがとうございました。アンケート結果は、後程見ていただければと思いますが、今回のセミナーのまとめをしておきたいと思います。

 

まずは、日建設計の濱田様に日建設計のBIMをお話いただきました。建築業界の最先端である、日建設計のBIMに関して組織体制や職能を踏まえつつ、実情をお話しいただきました。アンケートのコメントを引用させていただきますが「濱田さんのお話や実際に現場で働かれている方々のお話をお聞きし、BIMの未来が明るいことを確認し、より一層弊社としてもBIMの実用化に尽力をつくすべきだと感じました」という素晴らしいプレゼンテ-ションの後は、ワークショップに突入。運営側としても初の試みでちょっとドキドキでした。。。
A・B・Cチームに分かれスタート。まずは、アイスブレイク左の人の似顔絵を描くというお題でちょっと和んだところで、情報交換も含めつつ自己紹介タイム。チームごとの連帯感もだたところで、本題に入りました。

 

①CADオペレーターとBIMオペレーターについて考える。参加者のほとんどの方が、通過している職種CADオペレーターとはどんな仕事なのか分析。その後同様にBIMオペレーターについても分析して現状の業務(BIMオペレーター)に何が必要なのかどこに特徴にあるのかを考えました。
 業務を大きく、「設定する」「入力する」「配置する」の3点に分けて分析してみようと考え方です。(こちらは、濱田様にサポートしていただきました。。。)それぞれ、考えうるキーワードをポストイットに書き込み下記のような、グラフに入り込み、その特性を考えます。横軸は、「個人⇔多数」に設定して、縦軸は各チームに考えてもらいました。(多角的に分析したかったため。)CADオペレーターがまとまった後にBIMオペレーターについても分析した結果は、こちらです。
※CADオペレーター
「設定する」薄青
「入力する」薄黄
「配置する」薄ピンク
BIMオペレーター
「設定する」濃青
「入力する」濃黄
「配置する」濃ピンク
「シールがついているもの」両方に共通すること。

IMG_5360

Aチームは縦軸に早い段階で決めるのか⇔遅い段階で決めるのかというテーマで設定しました。BIMのほうがより早い段階で、しかも、大多数の人の意見を、まとまった設定のようなところを先に決めないと、後からになっては大変になるということが顕著に見えてきました。

IMG_5365.JPG

Bチームは縦軸を「かんたん⇔むずかしい」で設定しました。同じ業務をするにしてもBIMの方が難しい傾向が見えました。スキル的な点というよりは、設計者とBIMオペレーターそれぞれがどこまでやるのかをきちんと定義することによっても変化出てくるのではという意見もありました。

IMG_5362.JPG

Cチームは、「楽しい⇔楽しくない」で縦軸を設定。BIMでやる業務が、かなり楽しくないに寄っています。ここでも、設計者とBIMオペレーターの業務の線引きの仕方の話がありました。この図を見てみなさんいかがでございましょうか?CADオペとBIMオペの業務分析を終えたところで、
②BIM職能と適性について考える
に入りました。4つのBIM職能は、潜在的に人が持つ7つのスキルを元にどの職能にどんなスキルセットが必要かを考えました。7つのスキルとは、

図2

分析した結果はこちらです。※左上から時計回りに、マネジメント、オペレーション、スペシャリティ、コーディネーション。

チャートA

Aチームはすべてのポジションが能力必要だがあえて差をつけるとどうなるかを分析していました。マネジメントは理解力が一番高く、オペレーションは表現力が一番だが他も平均的に出来る必要あり、スペシャリティは技術力が1番、コーディネーションは技術力が低くても他は必要という結果になりました。

チャートB

Bチームはオペレーターについては質問力が必要であり、質問する表現力、そのための行動力が必要と分析していました。技術力は補完できるとし、その他は平均値としていますね。
チャートC
マネジメントは技術力を補完できるが、全体を牽引する力が必要でその他は高い必要ありとしています。特徴的な意見として、第5の職能としてベンダーのようなポジショニングも出てくるのではないかという新しい職能のお話もありました。濱田様の総括としても、今度の新しい職種として、オペレーターならではの技術を活かしてソフトの開発や、ソフト間でデータを繋ぎ合わせられる職能も発生してくるのではという見解もいただきました。以上が今回のビムノバのレポートになります。
今回、アンケート結果を見ても前向きな感想をいただけました。これをお読みいただいている皆様も答えのないBIMのキャリアについて悩まれていると思います。今後もこのような情報共有の場(BIMの場)を作り、一緒に将来像を考えていければと思います。
最後に日建設計の濱田様からもコメントをいただきました。濱田様には全面的にご協力いただきまして本当に感謝しております。ありがとうございました。

 

第1回ビムノバレポート
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日建設計 濱田祐也
<感想・コメント>
 お集まり頂きました参加者ならびにC&R社担当の皆様、ありがとうございました。建築業界においてCADからBIMへと大きく変わろうとしている中、数多くの方々が集まって意見交換ができ、非常に有意義な時間となりました。

 

今回は第1回目ということもあり、今後の行方を占う非常に重要であると認識していました。既に世の中には、BIMに対する講義・セミナーといったものが数多くあります。しかしながら、それは一方的な情報伝達に過ぎず、その場でのアウトプットまで達していません。
「第1回ビムノバ」では、講義+ワークショップを1セットにすることで情報のインプット/アウトプットを同時に行い、どう思っているのかをその場で議論する場として位置付けました。参加者の皆様の中には、非常に難しく感じた方もおられたかと思います。「過去」を振り返り、「現在」行っていることを整理し、その上で「将来」どうあるべきか。自分もそうですが、自分自身を技術的スキルと性格を掛け算して真剣に見つめなおすことはあまり多くないと思います。今回の場を通じて少しでも理解し、できる限り多くの方々と真剣に話をする。そして、次につなげることが出来たら幸いです。ありがとうございました。
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