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[ 建築マネジメント塾]「視座」の転換が、実務と経営を変革させる。

[ 建築マネジメント塾]「視座」の転換が、実務と経営を変革させる。

建設産業全体にマネジメントを浸透させるべく立ち上がった建築マネジメント塾。塾の主宰・川原秀仁氏が、受講生の小西保明氏、前田直孝氏に、塾で得た「学び」が、いかにそれが実務を変えたのかを訊く。

「売上3倍」の裏に、マインドの劇的転換。次代の建築を創る「言語」を獲得すべし。

川原:本日は「建築マネジメント塾」受講生の小西さんと前田さんにお越しいただきました。私がこの塾を立ち上げたのは、個社の経営を超えて、建設産業全体にマネジメントとIT・DXの融合が必要だと痛感したからです。今日は、実際に受講されて実務がどう変わったのか、リアルなお話を伺えればと思います。まず、お二人が受講されたきっかけは何だったのでしょうか。

小西:私はこれまで、組織の中でCMやPM業務に携わっていますが、プロジェクト単体よりも「ビジネス全体」を作るような川上の立ち位置へ移る転換期にありました。現場でのPM業務については自分なりに体系化できていたのですが、そのさらに上位にある「ビジネスをどう広げるか」という経営的なマネジメント部分については言語化できておらず、そこを学びたいと考え
たのがきっかけです。

前田:私はアトリエ系の設計事務所を経営しているのですが、コロナ禍で大きなプロジェクトが頓挫し、「失敗させてしまった」という苦い経験をしたことが大きいです。今の社会情勢の中で、これまでの設計事務所のあり方で本当にいいのかという疑問と危機感がありました。そんな時に川原さんと出会い、設計事務所として生き残るためにも、建築に対するマネジメントの視点を取り入れるべきだと直感して受講を決めました。

川原:実際に受講されてみて、ご自身の業務や意識にどのような変化がありましたか?

前田:私の場合、自分でも驚いているのですが、受講の前後で売上が3倍近くになりました。何か特別な営業をしたわけでも、業務内容を大きく変えたわけでもありません。変えたのは「マインドセット」だけなんです。これまでは「良いデザインを提供すればクライアントの役に立てる」と考えていましたが、受講したことで、それが間違いだったと気づかされました。

まず自分たちの立ち位置を「発注者側の視点」に寄せ、デザインの話をする前に、事業計画やQCD(品質・コスト・納期)、ビジネススキームといったクライアントが本当に気にしている「共通言語」で話すようにしたのです。それだけで、クライアントからの信頼感が劇的に変わりましたね。

川原:「良いデザイン」よりも、まずは「事業の成功」にコミットする姿勢を見せるということですね。

前田:おっしゃる通りです。以前ならすぐに図面を描いていましたが、今はまずビジネスの視点で対話ができるようになりました。それによって、より川上の段階から相談をいただけるようになり、結果として多くの受注に繋がっています。

川原:小西さんはいかがでしょうか。組織設計事務所という大きな組織の中では、また違った変化があったかと思います。

小西:私の場合、経営者である前田さんと違って一会社員なので、上司を説得し、会社を巻き込み、時間をかけて問題意識を共有していくプロセスが必要になります。

その中で、塾での学びによって自身の思考が明確に「言語化」されたことは、大きな武器になっています。これまでPM/CM業務の中でモヤモヤしていた部分がクリアになり、単なるマネジャーではなくプロジェクト全体の「ファシリテーター」であるべきだという新たな視座を得られました。

また、塾というライブな場で熱量のある議論に触れているおかげで、簡単には諦めない軸ができました。今ではどのような課題であっても解決していく粘り強さが身についたと感じています。

川原:お二人とも、それぞれの立場で「視座の転換」を実感されているようですね。最後に、どのような方にこの塾をお勧めしたいですか。

前田:私は、地方の小規模な設計事務所の方にこそ受けてほしいと感じますね。建設投資額は上がっても着工床面積は減っており、小規模事務所は今後淘汰されていく可能性があります。だからこそ、今までのやり方に固執せず、新しい視座を持って「選ばれる事務所」に変わる必要があります。

小西:次の10年、20年の会社や業界をどう作っていくか、その責任を負う世代に一番刺さる内容だと思います。建築業界は人手不足やコスト高など閉塞感もありますが、マネジメント塾はそれを超越するような視点を与えてくれます。「課題の裏には何があるのか」「視点を変えれば解決策が見える」ということを学べるので、現状に悩みを持っている方には、ぜひその「視座の転換」を体験してほしいですね。



前田直孝/MAEDA DESIGN LAB
組織設計事務所で10年間、スタジアムから庁舎・図書館等の大規模建築設計に従事。独立後、MAEDA DESIGN LABとして中規模建築の設計に従事。2025年CM業務の(株)福岡建築マネジメント設立。一級建築士・認定CMr・日本CM協会九州支部・幹事。

最大の変化は、マインドセットが大きく変わったことです。デザイン重視から「発注者視点」へ価値観を転換したことで、クライアントからの信頼が深まり、売上は約3倍に伸長しました。QCD(品質・コスト・納期)や事業計画といったビジネス言語で対話ができるようになったことで、クライアントからの信頼も劇的に向上しました。受講を通じて、小規模事務所こそ生き残りのためにマネジメント力が不可欠だと確信しています。


小西保明/組織設計事務所
京都工芸繊維大学大学院修了後、デルフト工科大学にて研究員として従事。帰国後は設計事務所、CM会社を経て、現在は株式会社日本設計に所属し、複数のDCプロジェクトに関わるとともに、日本CM協会理事を努めている。

以前から現場で感じていたPM/CM業務の上位にある「ビジネスの広げ方」やマネジメントの概念が、受講を通じて明確に言語化されました。単に現場をまとめるだけでなく、プロジェクト全体を俯瞰する「ファシリテーター」としての役割を再認識し、組織の中で新しい動きを作るための論理的な支柱を得たことで、自信を持って社内への働きかけも行えるようになりまし
た。


川原秀仁/株式会社ALFA PMC
佐賀県唐津市出身。大学卒業後に農用地開発・整備公団を経て山下設計に入社。その後、山下PMCに設立メンバーとして参画し、代表取締役社長、取締役会長を歴任。2023年3月に株式会社ALFA PMCを設立。B.LEAGUEライセンス審査委員、東京ニュービジネス協議会理事などを務める。日本CM協
会前会長。

PROFILE

建築マネジメント塾

株式会社ALFA PMCの川原秀仁が講師を務める、建設産業従事者にマネジメントのエッセンスを伝える講座。顧客視点の習得、ゲームチェンジャーとなる視座の獲得、キャリア価値の向上を目指し、実務で成果を上げるノウハウと人脈形成の機会を提供する。(https://alfapmc.jp/management/

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