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メタバースを建築士とともに設計。 すぐ使えるDX空間を今夏より提供

メタバースを建築士とともに設計。 すぐ使えるDX空間を今夏より提供

クリーク・アンド・リバー社  建築グループ プロデュース・ ディビジョンの取り組み

 昨年12月、クリーク・アンド・リバー社(C&R社)建築グループは、VR技術をフル活用した建築展示場「XR EXPO®」をオープン。そして今年、当該建築展示場で活用されているDXサービスラインナップに、「メタバース」を追加。その狙いと機能の詳細をリポートする。

仮想建築展示場にさらなるリアルを!

現在、C&R社建築グループは、左の表で説明しているとおり、「超建築Real」「超建築Presenter」「超建築Movie」「VR建築展示場XR EXPO®」といった、建築プレゼンテーションDX化ツールを展開・提供している。

特に、昨年12月にオープンした「XR EXPO®」は、業界内外から大きな注目を集め、出展建築関連企業、家を建てたい一般ユーザーから好評を得ている。そして、このDX化サービスラインナップに、「メタバース」を追加投入する計画が明かされた。

ご存じのとおり、メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間のこと。C&R社が計画するメタバースは、つくりたい家を探しているユーザーが自分のアバターを設定して仮装建築展示場に入り、自由自在にモデルハウス巡り・体験を楽しむことができるというもの。

実際の展示場のように歩き回らなくても見たいモデルハウスに瞬間移動(ワープ)したり、家の屋内外360度の詳細を確認したり、さらには、建築家や住宅メーカーの担当者などから説明を聞くなどコミュニケーションすることも可能だ。

今回リリースするデモ・メタバース空間は、A「ランドスケープ」案と、B「ミュージアム」案の2パターン。

A案では、四季折々の樹木に彩られた展示場の風景を楽しみながら道を歩いていくと、モデルハウスが現れる。メタバースの非現実性とモデルハウスの現実性とをつなぐ有機的な雰囲気が特徴だ。B案では、ミニチュア化したモデルハウスを、ミュージアムの展示作品のように設置。館内を歩き、気に入った作品を自由な角度から眺め、見比べるといった、洗練された雰囲気が特徴である。もちろん、両案ともに、アバターがモデルハウスの中に入り、実寸のデザイン、住み心地をリアルに体験することができる。

今回のメタバースは、自社単体で活用したいクライアントに対しても、ニーズに応じて容易にカスタマイズできるよう、可変性や柔軟性を考慮した思想とデザイン手法が込められている。

右/「ミュージアム」案:ミュージアムのように整然とした空間にモデルハウスのミニチュアを展示。各家をカタログ的に比較しながら自由に見て回り、気に入ったモデルハウスにワープして内覧するスタイル。コンセプトは「クラス感、シャープさ、重厚感」
左/「ランドスケープ」案:実際の住宅展示場の発展形として、メタバース内では1分の1のスケール感で空間を体感できる。空間内を歩き回るうちに風景も変わり、配置されたモデルハウスが現れる。コンセプトは「たのしさ、やわらかさ、おもてなし」

建築士に新たな活躍フィールドを提供

今回、2案のメタバース空間を設計したのは、C&R社のパートナー建築士であり、空間デザイナーとしても活躍しているInfiniD(インフィニディー)代表・阿部直人氏。先の東京オリンピック・パラリンピック選手村マンションの外観およびインテリアデザインなどを手掛けてきた、新進気鋭のクリエイターだ。

「3D技術の進化に伴いメタバースの使い勝手も進化し、よりリアルに近づいています。自分としては、このような機会をいただいたことで、新たな表現可能性を追求できるところに面白さを感じています。基本的に、住宅はお客さまに選ばれたものしか建てられませんが、メタバースの世界であれば、その足かせから解き放たれる。メタバースと建築展示場との親和性は抜群なのではないでしょうか」(阿部氏)

C&R社は、今後もメタバースを設計できる建築士の紹介と育成に力を入れていく計画だ。同社建築グループの田中尚美は言う。

「建築業界以外からも、メタバース空間をデザインできる建築士を紹介してほしいという依頼が増えています、実空間体験を、仮想空間で展開できる建築士の力が必要とされています」

また、C&R社は、今回紹介した2案のメタバース空間の体験会を、今夏よりWeb上で開催する。

「個別でのオリジナル・メタバースの制作も、XR EXPO®との連動も可能です。展示場、ショールームのDX化に興味がある方は、ぜひ体験会へお越しください」(田中)

PROFILE

クリーク・アンド・リバー社
建築グループ プロデュース・ディビジョン

TEL/0800-170-0091(フリーコール)

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